二章

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純朴な青少年としては、随分なシチュエーションで言われた通りにするしかない。 もっとも、堂々と彼女を見つめる事が出来るのは気恥ずかしくも愉快な気もする。 彼女の視線は、僕をなぞる様に上下したり背中を見つめたり… けれども、それは真剣なもので僕の頭の中とは随分違うのだろう。 不思議な感じだ。僕は僕で、段々と彼女を構図として見つめ始める。 顔の線や、肩のライン…椅子に座り足を組んでスケッチブックへ鉛筆を走らせる姿。 束ねた髪の生え際や、美しくシンメトリーな目の配置。
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