二章
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カウンターへ彼女を座らせて、僕はカウンターの中に入る。 頬杖をつく彼女を正面から見据える。 いっそ苦手な表情を、今の僕の技量でスケッチしてみたかった。 滑らかな顎へと伸びる線を薄くなぞる。 シンメトリーだと思っていた大きな二重瞼は僅かにズレていて、その微妙な配置が造形の美しさに繋がっている。 眉の生え際、髪の生え際…なだらかな鼻梁… 何故だか無心でスケッチブックへと鉛筆を走らせた。
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