二章

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翌朝、約束の時間に合わせてシャワーを浴びて自転車に乗った。 九時前だと云うのに、太陽は痛いほどの日差しを背中にぶつけてきた。 せっかく流した寝汗は、あっという間に無駄なものになってしまう。 「ねえ、朝食は?」 彼女の第一声はそんな感じだった。 手には駅前のパン屋の袋、真新しい白い自転車の横に立っていた。 「買ったんだ、自転車」 「ふふっ、良いでしょ。一目惚れして買っちゃった…夏が終わったら、隆くんにあげるね」
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