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「良いですよ、そんな事」
「良いのよ、戻れば車も持ってるしね。殆ど乗らないけど」
夏が終わったら…そう、どちらにしても彼女がこの場所に居るのは夏の間だけだ。
「そうですか…じゃあ、夏が終わったら考えます。こいつの立場もあるんで」
僕は自分の自転車を立て掛けながら彼女に向って笑いかけた。
「そうね、どんな物にも思い入れはあるものね。入りましょ、珈琲でも淹れるから」
相変わらずガランとしたフロアに、年季の入ったイーゼルが立て掛けられていた。
「贅沢なアトリエって感じですね」
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