五章

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「大丈夫ですか?なんなら外に出てますから吐いても良いですよ?」 「ごめん、大丈夫。ちょっと休憩したら帰れるから。ごめんね…」 「そんなに謝らなくても良いですって。冷たい物でも飲みますか?」 彼女が頷いたので小銭を握りしめて近くの自販機へ走った。 部屋を出るとさっきまで身体の中にあった薫さんの感触が思い出された。 こんな時でも僕はそんな事を考えるのだと思うと…情けなくなってしまう。 ペットボトルの水と缶のコーラを一本ずつ、その場でプルタブを開けて冷たいコーラを流し込む。 フーっと息を吐いてアパートへ小走りに戻った。
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