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「駄目ですよ。目が眠そうですよ」
「なんだか保護者みたいな言い方だー」
「ほら…その言い方が酔ってる証拠ですってば」
大人の癖に薫さんが頬っぺたを膨らませてつまらない顔をする。唇をアヒルみたいに尖らせるオマケ付きだった。
「子供みたいな事してないで、飲んで帰りますよ」
「隆くんのが子供の癖に…」
ぶつぶつ言いながら、呆れるぐらいの勢いでジョッキのビールを飲み干した。
おぼつかない足元でトイレに行き、それでも会計で押し問答の末に半分づつお金を払った。
「私の方が飲んでるのに。素直に奢らせなさいよねー」
確かに貧乏学生には痛いけれど、プールに行った時のレンタカー代だってガソリン代だって知らない内に薫さんが払っていた。
全部払って貰うのはどうにも情けない話なのだ。
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