22人が本棚に入れています
本棚に追加
「からかってなんてないです…可愛い」
仄かな汗と初めて会った時の柑橘系の香りが僕を包み込む。
堪らない感情が腰に集まるけれど、もっともっと薫さんを感じていたい。
もう一度顔を見つめて、今度はゆっくりと唇を合わせてみる。
薄い唇も、小さな舌先も、狭い口腔も、綺麗に並ぶ歯も…愛しくて堪らない。
少しだけ漏れる薫さんの押し殺した声が、僕の耳から身体中に響く。
僕の両肩を薫さんが押した。何かいけない事をしてしまったかと不安になった。
「あの…」
薫さんの指が僕の口を塞ぐ。
「ねえ…隆くん…私で良いの?」
良かった…気を悪くしたのじゃ無かった。
「薫さんが良いです…」
最初のコメントを投稿しよう!