六章

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ドアを開けると…居た筈の場所に薫さんの姿がない。 困った事にベッドの上でタオルケットが膨らんでいた。 マメにシーツは替えているけれど、流石に汗くさい気がして… いや、それどころじゃ無いのだ。眠られてしまってはどうして良いか困るのだ。 どうしてこの人は、こんなに無防備なのだろうか… 「薫さん…起きてくださいよ。お水買ってきましたよ」 仕方なく肩を揺するけれど、寝返りをうって壁を向いてしまう。 床を見つめて僕は茫然としてしまった。 もう、反則どころじゃなくて…拷問みたいだ。 脱ぎ捨てられたジーンズを畳む僕は…何故だか辺りを見渡してしまう。 タオルケットからはみ出した足から、目が離れないのは…僕のせいじゃないです…
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