六章

3/40
前へ
/40ページ
次へ
しかし、不思議なものだ。今日の昼間には水着姿の薫さんと一緒にいて… 見えている足なんて、ずっと視界に入っていた筈なのだ。 それなのに…今は、呼吸をするのも苦しくなるぐらいの存在感で目の前にある。 飲みかけでテーブルに置いたコーラを一気に飲む。知らない間に随分と喉はカラカラだったらしい。 で…僕は一体どうするべきなのだろうか? これが妄想であるならば、おそらくグッジョブと叫びたいぐらいのシチュエーションなのだ。 もっとも、僕にはそんな勇気はない。薫さんに嫌われるぐらいなら、拷問に耐えた方がマシなのだ。 あれこれ思い悩む僕をあざ笑うみたいに…薫さんが寝返りをうつ。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加