六章

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丸い形の良いお尻を覆う小さな布が此方を向いている。 拷問は徐々にエスカレートするものだと、古来より決まっているらしかった。 僕はその責め苦に耐えきれず…部屋の照明を消した。 公平にでも話したら、きっと爆笑される事受け合いだろう。 ベッドを背に座り込む。普段殆ど見もしないテレビを、微かに聴き取れる音量で点けた。 背中からは気持ち良さそうな寝息が聞こえていた。 幸せなのか、不幸なのか理解出来ない中で僕は薫さんの事を考えた。 見ていたよりずっと狭い肩幅は、僕の腕の間にすっぽり包めるほどだった。 何気に触れていた胸の膨らみは、形容し難いほど柔らかな感触を僕の肋骨の下に残した。 結局、照明を落としたって拷問は続くのだ。
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