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抑えていた気持ちはぷっつりと切れて、何も考えられずに振り向いた。
目の前に彼女の小さな顔があって、目が合った瞬間彼女の瞼が閉じた。
もう僕の心臓は飛び出しそうで、口の中はカラカラに乾いてしまっている。
何故こうなっているのかも、彼女がどんな思いなのかも考えられない。
今僕がすべきなのは唇を重ねる事しかなくて…焦っている事が伝わらないようにゆっくり顔を寄せた。
キスをするのは初めてではないけれど、柔らかく触れた途端頭は真っ白になる。
おずおずと舌を割り込ませると、彼女の唇が応えるみたいに少し開いた。
僕は夢中でその行為を繰り返した。
何分なのか、それとも思ったより短い時間なのかもわからない。
何度目かの唇が離れた時、彼女が耳元で囁く。
「横に来て…」
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