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「ねえ隆くん、変に気を遣うのやめようね。やりたい事はするし、お願いしたい事はちゃんと頼むからね」
微笑みながらそんな風に薫さんが言う。
僕は随分気負っていたかもしれない。
「そうですね。ちょっと気楽にいきます」
二人でのんびり夕食を食べ、自転車でコンビニへ買物へ行く。
ついでに、僕は部屋から小さなCDコンポをアトリエへ持ち込んだ。
少なめのボリュームで僕の好きなバンドの音楽を流す。
薫さんは興味深そうに、僕の持ち込んだCDのジャケットを眺めていた。
音の存在しなかったアトリエに、僕が少し音楽と一緒に入り込む。
翌日には、僕がバイトの間に買い込んだ何枚かのCDが横に並んだ。
無理に何かを聞き出したり、あれこれと考えたり…
そうじゃなくて、こんな風に緩やかに彼女を理解出来てゆく事が楽しかった。
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