八章

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あれだけ楽しかった時間が、切ない時間に変わる。 離れるだけだ…電話だって、メールだってあるのだと自分に言い聞かせる。 けれども手を伸ばせば触れられる愛おしい存在が居なくなる。 その現実を隠す事など出来はしないのだ。 「隆くん…そんな顔しないの。消えて無くなるわけじゃないんだから」 「そうだよね…」 「そうよ。隆くんだって大学も始まるし…バイトだってあるわ」 「薫さんも仕事があって…普段の生活がある」 「時々、こっちへ来るわ。そうしたら泊めてくれる?」 「もちろん…いつでも」
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