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「美紀、とにかく落ち着いて話せよ!」
「私は隆先輩に言ってるの!公平は黙ってて!」
「教えてくれよ。美紀ちゃん」
今度は泣きだしそうな顔で僕に告げる。へたり込むみたいに芝生にしゃがみ込んだ。
「先輩…騙されてたんだよ。あのひと、結婚するんだって…決まってたんだって…遊ばれただけなんだよ…隆先輩」
「そんなの嘘だよ…第一、なんで美紀ちゃんが知ってるんだよ。そんな事!」
大きな声を出してしまった僕に、美紀が睨むみたいに覗き見る。
「聞いたもん!本人から…可哀想で言えないからって」
「そんな筈ないよ…」
「本当だよ?薫さん…電話も繋がらないでしょ」
「なあ、美紀。お前それがショックで大学休んでたのか?」
「そうよ…いけない?」
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