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じっと貴女の絵を見つめて、身じろぎも出来ずに朝を迎えた。
僕が此処に居る意味さえ曖昧になってしまった。
公平から何度か着信があったけれど、出る気にならなかった。
どのぐらい…こうしているのだろう。
全てが僕の手の中にあったのに、呆気なく…指先さえ届かない場所へ消え失せた。
もう…僕は…
この場所に居たくない…
「おい隆!居るんだろ!鍵開けろよ」
ドアがゴツゴツと叩かれる。公平の焦りが伝わるみたいな叩き方だった。
僕を親友と呼んでくれる公平に、これ以上心配かけるわけにはいかない。
そんな事を考える僕は、まだ冷静なのだろう。
のそのそと立ち上がり、ドアを開ける。
心配そうに僕を、美紀と公平が見ていた。
「良かった…もしかしてって思ったじゃねぇかよ」
心から安堵する様に、公平が項垂れた。
「悪かった…」
「とにかく入れろよ。お前の事だからメシも食ってないだろ」
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