九章

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「もう、そうやって茶々入れるとこが公平の悪いとこ!」 「へぇ…公平、呼び捨てなんだ」 「五月蝿いよ、隆。じゃあ、俺たちの夏に!」 「なんだよ、格好つけすぎじゃないのかよ。しかも公平が言うんだ」 「ねえ?手が疲れちゃったんだけど…」 薫さんが愉快そうに美紀と目を合わせて笑っていた。 「隆が余計な事言うからだよ。仕切り直すぞ、俺たちの夏に乾杯!」 ジョッキがぶつかる音が響く。形だけ口をつける僕と美紀。 薫さんと公平はいかにも美味しそうにビールを流し込んだ。 「あー美味い!夏はビールだねー」 「大袈裟だなぁ、公平は」 「ふふん、成人の特権だね」
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