九章

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「隆先輩は、誕生日いつなの?」 「そう言えば、私も聞いてなかったわ」 「あれ?俺もしらねーぞ」 全員が一斉に僕を見る。黙っていたわけじゃないけれど何と無く言い難いのだ。 「あー…クリスマスイブ」 「隆らしい」「先輩にピッタリ」「へーそうなんだ」 「だから嫌なんだよね…」 「どうして?覚えてもらい易いじゃない」 「そうですけど。いつもプレゼントは、ひとまとめだし… 例えばさ、公平は僕の誕生日と美紀ちゃんと過ごすクリスマス…どっちが大事?」 「美紀!」 「早いよ。公平…でも、そう云う事だ」 「それは、今まで隆に彼女が居なかったからいけないんだ」 「はっきり言うなよな…」
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