終章

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「薫さん…頑張ったんだよ。隆くんに笑って、ごめんって言うんだって」 「いつだったんだ…薫さん…」 「私にもわからない…最後まで教えてくれなかったの。何処に居るかも」 「美紀ちゃんとだけ、連絡してたんだね」 「うん…公平にも言えなかった」 静かに涙を流し美紀が言う。 あの時…薫さんを『あの女』と呼んだ美紀を思うと胸が痛くなる。 「これは?どうして美紀ちゃんのとこにあるの」 固く目を閉じて、思い出しているみたいだった。 「届いたの…中身はこれだけだった。どうして私に送ったのかもわからない…」
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