終章

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「届いたのは…いつ?」 美紀が嗚咽を堪えながら…それでも口を開く。 「……隆くんの…誕生日…だった」 僕は天井へ顔を向けて、大きく息を吸い込む。 聞かなければいけない… あの時の僕を昇華させる為に 抱え込んだ美紀の為に そして…薫さんの為に… 「どうして、僕に教えてくれなかったんだろう」 「薫さんね、言ってた。綺麗って言ってくれた隆くんに見られたくないって」 「酷い人だ…」 「きっと隆くんに知らせたら…全部投げ出してしまうからって」 「結局…僕は投げ出しちゃったけど」
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