終章

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「そうね…薫さんも悲しんでた。隆くんが大学辞めた事」 「そうか…知ってたんだ…」 「薫さん…頑張ったんだよ。すごく頑張ったんだよ。隆くんに会うんだって、声を聞くんだって」 「そうか…」 「私ね…何度も、何度も言ったんだよ。一度だけでも電話してって…隆くんのお母さんに新しい番号聞いて…伝えたんだよ」 「………」 「薫さん…そんな事したら、隆くんが自分の事忘れられなくなるからって…変だよね。治して自分で会うって言ってた癖に」 「ありがとうね…美紀ちゃん。関係ないのに…辛い思いさせたね」 「私は…良いの…やっと隆くんに伝えられたから」 心底ほっとした表情で、美紀が微笑んだ。
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