☆10☆

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それ以来、会うたびに抱っこさせろ。と迫られ、 俺が嫌がると馬鹿だのグズだのと罵られ とばっちりで英司も大馬鹿呼ばわりだった。 俺は、これ以上被害を大きくしない為に、 貴子呼ばれたらビクビクして、ご機嫌を伺いながら 大人しく抱っこさせる事にした。 あの貴子の勝ち誇った顔が忘れられない…… ただ、風呂だけは一緒に入りたくなかったから 頑なに拒否し続けていたある日。 そう、前回帰省してきた2年前の年末。 英司は友達と遊びに行ってて不在。 母さんは、父さんの渡米準備の為に出かけていて夜まで帰らない。 家には俺と貴子しかいなかったんだ。 明日も休みなんだから~、と 早い時間から飲み始め、 あっという間にワインを一本開けた時、 「ケンタ!一緒にお風呂入ろうよ。」 と赤い顔でジリジリすり寄ってきた。
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