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口から魂が半分出ちゃったように
焦点の合わない英司と俺を乗せ、
井上ドクターの家に向かった貴子。
「子猫なんて何年ぶりかしら~
スッゴイ可愛いんでしょ?ケンタの嫁には勿体無いんじゃない~?
ふふ。早く抱っこしたいわぁ」
♪ねっこ猫~ 可愛い子猫~~
と訳のわからない猫の歌を口ずさみゴキゲンで運転していた。
「ーーーーーっは~ 随分といいマンションにお住まいなのね……」
オートロックを開けてもらい、
エントランスに入った貴子は
天井を見上げていた。
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