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「ほら、行きたいところ
考えてきたんだろ?」
「ん?そうだな!ちょっと待ってろ!」
そう言うとニーナはポーチの中身を漁りだした。
「あったぞ!」
「ん?」
ニーナがポーチから一枚の紙切れを勢いよく取り出した。
それと同時に何かがポーチから飛び出し地面に落ちる。
《絶対破れない○ム!》
「……」
「…ん?あ、これはなレウから貰ったんだぞ!」
そう言いながらニーナがそれを拾おうとするも、その前に俺がひったくる。
「これが何か知ってるか?」
「いや、わからないぞ?レウはトウヤに聞けと言ったがトウヤは知ってるのか?」
ニーナの俺を見る目は純粋そのもの…どうやら、本当に知らない様子だ。
一体何がしたいんだあいつは…
「いや、俺も知らないな。」
「そっか。」
ニーナさほど興味もないようで視線を紙に戻す。
「それにしても、なぜレウさんはこれをニーナに?」
「ん~、知らん!ただ、今日行くとこを決めるの手伝ってもらったときにくれたぞ!」
「…その紙が、今日行きたいところか?」
「そうだ!」
ニーナに差し出された紙を手に取って見る。
「……………………………………………………………………………………………」
「か、顔が怖いぞ?」
おっと。
「これに書かれた場所のほとんどはレウさんが?」
「よくわかったな!ニーナは知らない場所ばかりだがトウヤは知っているのか?」
「いや、知らない場所ばかりだ。だから、俺が知っている所に行こうか?」
「…?ニーナはトウヤが一緒ならそれでもいいぞ!」
「そうか、なら行こうか?」
「あぁ!」
紙を見た限りニーナが行きたい場所は一カ所のみ。
だから、少しいろいろ回ってから最後にそこに行こう。
俺ははぐれないようニーナの手を取るとレウさん対する殺意を抑えながら歩き出した。
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