約束を守ったらゴタゴタに巻き込まれた…

7/23
前へ
/507ページ
次へ
「下から出てりゃ調子に乗りやがって!こっちは急いでんのに、わざわざ時間を裂いてまで話してやってんのにその態度はなんだ!あぁん?」 「…ちっ」 「今、舌打ちしやがったか?」 「気のせいだろ。」 つい、やっちまった舌打ちにキャンキャン男は目ざとく噛みついてくる。 全く持ってウザすぎる。 「俺だって暇じゃないんだ。それなのにいつまでも絡んで来やがって…だいたいてめぇ程の実力なら簡単に避ける事が出来たんじゃねぇのか?」 俺はアニキを睨みつけるとそう言い放つ。 実際、実力はある。 だったら、アイス片手に走るニーナくらい簡単に避けれたはず。 「確かにその通りです。」 ここまで嘗めた態度を取られてもアニキはどこ吹く風。 ただし、警戒を解いてはいないようだが。 そして、右腕の男もまた、涼しい顔で俺の言葉に返事を返す。 「確かにその通りなのですが、先程の「もう我慢ならねぇ!!」…ちっ。」 だが、キャンキャン男はそうではなかった。 右腕の男もたまらず舌打ちするほど。 「てめぇは黙って質問に答えてりゃいいんだよ!」 それは難しいな…まぁ、出来なくも無いが。 「そもそも、汚れを落として謝罪するだけで許されるほどうちは甘くねぇんだよ!」   はぁ…ようは金か? 「そのボロ布がいくらかは知らんが迷惑料等込めてこれくらいあれば十分か?」 俺はボックスを開くと今までこつこつと貯めてきた金、金板を適当に掴んでキャンキャン男の足元にばらまいた。 「…拾え。」 「っな!…っ、クソガキぃ!!ふざけんじゃ「ちぃと、黙れ。」っ!」 いきなりの大金に驚いたキャンキャン男だが、俺の拾えと言う発言にキレたようで飛び掛かってきた… のも束の間。 アニキが動いた。 キャンキャン男はアニキの一言で動きを止めると、アニキの方を向く。 そんな目を向けられるアニキは黙って一歩、また一歩と踏み出す。
/507ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6528人が本棚に入れています
本棚に追加