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「いきなり、気を失うなんて何かしたに違いない!そんな小さな子に…くっ、一体どういうつもりなんだ!」
なにこいつ…
「なにって、落ち着かせるために眠らせただけなんだが…」
「ひどい!どんな理由があるか知らないけど、見ず知らずの少女をいきなり気絶させるなんて許せない!!」
「……」
俺は言葉を失った。
見ず知らず…俺も言葉が足りなかったかな?
ついさっきまで、ニーナと2人でテーブルに着いていたのをだが眼中にも無かったようだ…
ちなみに、エリアとユウも俺と同じように固まっており、唯一、金髪のみが恥を感じているのか明後日の方を向いている。
「言っておくが、俺はこいつの保護者だからな。」
無駄だと知りつつも、とりあえず説明する俺。
そして、ニーナは俺達のテーブル席であるベンチシートに寝かせる。
「嘘だ!そんなの信じられないよ!」
ぐっ…こいつと喋ってると頭が痛くなる…
「はぁ、別に信じなくていいが…。お前達はいつまで居んの?」
勇者(笑)の異様さに固まったままだったエリア達に声を掛ける。
「え?」
「帰るんじゃなかったのか?」
「あ、な、なによ!あんたなんかに言われなくてもわかってるわよ!!」
へいへい。
「ほら、ユウ。行きましょ。……感謝なんかしないわよ。」
通り過ぎる瞬間エリアが小さくそう言った。
さすがに1人でどうにか出来る相手ではないと思っていたのだろう。
ツンなエリアに感謝を頂いた俺。
タイヘンキョウシュクデス。
「…………。」
手を引かれながらもユウは俺をガン見。
人見知り+男性恐怖症なのに珍しいな…なんて思ったさっきまでの俺を殴りたい。
俺は素早く、自然な動きでユウの視界から隠した…鈴鳴を。
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