第四章

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バンッと扉を開けると、もう食事は綺麗に並べられていて、椅子には魔王様が座っていた。 魔王様がニコと微笑みをくれたから、僕はパァっと笑顔になり、魔王様に飛びつく。 「ぁ、危ないぞ、クロ!」 驚いた様子の魔王様に 「魔王様!“永遠の誓い”だよ!!」 チュッとキスをする。 魔王様の首元に僕と同じような模様が描かれる。 魔王様はギョッと目を見開き、驚いたみたいだったが、そっと微笑みを戻し僕を抱きしめてくれた。 「気づいたんだな。」 そりゃ気づくよ、と僕は言い返す。 「本当はクロが起きてから一緒に考えようと思っていたんだが、昨日のことがあってな…。ごめんな。クロ」 「いいんだよ。 でも、こんなの無くても僕はずっと魔王様のそばにいるつもりだったんだよ。」 「…そうか、ありがとなクロ」 もう一度、キスをして抱きしめ合う。 嬉しい。この首輪が。 「魔王様。そろそろ離されたほうがよろしいかと。猫様が窒息死されそうですよ。」
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