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珈琲屋の二階の喫茶室。
子供がアフタヌーンティーセットを前に、一人にこにこしていた。
色の薄い金髪を太い三つ編みにしたその女の子は、窓際の明るい席で、美味しそうにスコーンを食べている。一つ食べては紅茶を口にして、幸せそうに一息。
幼くは見えないが、あの背格好なら年齢はまだぎりぎり一桁だろう。学校から帰っているにはまだ早い。かといって、堂々とさぼっているような印象でも無い。
オーガニックな服も相まって、午後の喫茶が何故か似合っていた。
何故と思う事が沢山あったが、自分はもう帰るだけの客である。長く凝視も出来ず、そのまま店を出た。
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