エミリー

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2  公園近くの道。  まばらな生け垣の間から、公園の中が見える。  水道の近くに小さい子供が数人集まっていた。一人が手に怪我をして泣いているらしく、騒いでいるそれを皆で囲んでいる。  その中に、少し年長の女の子が見えた。おっとりしているが聡明そうな顔は、確かに先頃喫茶室に居た子供だ。泣く子の傍にしゃがみ、なだめているようだ。 「大丈夫。これは魔法の絆創膏なのよ?」  言いながら出して見せ、痛いのはちょっと我慢ね、と傷口を水で洗っている。  泣く声はひどくなったが、女の子は手早く終わらせて絆創膏を貼った。 「ほらもう痛くない」  手を取ってにこりと笑いかけると、泣いていた筈の子もきょとんと止まった。  周りの子供がそれでもう治ったと囃すが、女の子は立ち上がると、そんなにすぐ治りませんと大人のような事を言っている。  今度は自分もとたかり始めた子供達からするすると逃げ、そのまま鬼ごっこが始まった。  近くに住む子なのだろうか。  歩きながら一部始終を見終えた頃、生け垣が視界を遮った。
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