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聡介は大学の頃から一人暮らしで、私は今でも実家にいる。 学生の頃はここに泊めてもらうことも当たり前だったのに、社会人になったとたん何故かここに泊まることを禁止されるようになった。 一緒にいる時間が少なくなった今こそ夜を共に過ごしたいと思うのに、聡介は私を追い出すように帰宅を促す。 『家でも仕事したいから』 毎回繰り返される言い訳なんて始めから信用してない。 聡介は何かもっと別の理由で私を遠ざけてるのだ。 デートもままならず、たまに会えてもこんな感じで。 社会人になってから聡介は変わってしまった。 会えないときも電話かメールはまあまあくれているから別れたいとかそんなことではないと思うけど……。 いくら考えても分からない聡介の態度に膨らみ続けた私の不安は爆発寸前だ。 ちびちびとミネストローネを啜る私の前で、聡介はワインの本を読み始めていた。 来年はソムリエの試験に挑戦するらしい。 「ねえ、聡介?」 「ん?」 「今年、滑りにいかないの?」 「あー……、多分行かない。 仕事あるし、休みは寝てたいしな」 「ふーん……。じゃあ、クリスマスはどうする?」 「何言ってんの。お互い仕事でしょ」 「…………だよね……」 それ以上は会話が続かなくて、少しずつ食べていたはずのスープもあっという間になくなってしまった。
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