はじまりの詩

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一人で泣いたあの夜 9階から眺める夜景はやけに綺麗で それがただ虚しかった。 ここから街の向こうまで見渡せるのに 私の故郷は決して見えない。 貴方に会いたくて 友達に会いたくて 両親に会いたくて 皆に会いたくて どんなに会いたくても 私の見渡す夜景の中に、 私の会いたい人を見つけることは出来ない。 こんなに数えきれないぐらいの明りの下に 生きている人はたくさん居るのに それなのに、私は一人ぼっち。 そう思うと涙が出てきた。 ぽろぽろ ぽろぽろ ぽろぽろ ぽろぽろ 涙が出てきた。 いくら泣いても、一人ぼっちは変わらない。 一人ぼっちは一人ぼっちだ。 泣いても泣いても 何も変わらない。 ずっと一人ぼっちだ。 それでも朝は来て、 時間は過ぎていく 何もしなくても 何もできなくても 時間の流れと共に 私は歩き出さないといけない。
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