第2章

2/2

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
am 7:00 ピピピピピピピピ カチッ 「ん…夢見悪りい」 よりによって中学の卒業式の あの思い出を夢に見るとは 「気分悪いなあ」 まあ、正直あの後 バラして回るとか するような奴じゃなく トラウマになるなんて事は無かった。 だが、あの理解出来ないという顔が 今でも張り付いて。 次にまた人を好きになることは 難しくなった。 そんなこんなで2年経って 今は高校2年生の3学期 この間も、誰かを好きになることは なく、春はこないまま過ぎてきた。 「母さん、おはよう」 「おはよう、透。朝ごはん出来てるよ」 学校に行くため朝食を済ませる。 身支度を済ませてから 家を出る。 「行ってきます」 朝食の場に居なかった親父は 出版社に勤めてる いつも担当の編集の期日が迫ると 家に帰ることは少なくなる。 最近は忙しいのだろう。 朝から嫌な思い出を夢に見たし 今日は何か調子が乗らない。 「悪いことが起きなければいいが」 校門を潜ると元気な声が聞こえてくる。 「おっはよ!みーちゃん!」 「はい、おはよう。はる。」 いつもよく連む友達の鷺内 晴臣 俺と身長が変わらず 元気いっぱいな奴だ。 「あれ、みーちゃん機嫌悪い?」 そんなに顔に出てたのか 「分かるか?機嫌悪い訳ではないよ。夢見が悪くて」 そう言うと心配させまいと 笑顔を作る。 晴は俺の顔をまじまじと見て笑う。 「無理すんなよっ だるかったら言え。 保健室ついてってやるからな」 晴はよく気づく。 相手の変化。体調に関わらずだ。 女の子がシャンプーを変える 髪を切る。そんなとこも よく見ているから。 「そーゆーとこがモテるのかな」 「ん?なにがだ?」 「いや、なんでも無いよ」 その上、顔は結構整っているときた。 そりゃ、女子も放っておかないだろうな。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加