6* 打たれた布石

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でも当然ながら椎名部長のことは聞いてはいない。 「あ、伊織ごめんね。メールみたい」 美咲はそう言うとスマホではなく、パソコンのマウスに手を伸ばした。 モニターを眺める彼女は唇を少し開けて。 マスカラの付いてない睫毛は意外と長く。 バレッタに届かない後れ毛を指でいじる。 そして美咲はマウスをクリックして目を伏せた。 「メール、大丈夫?」 「……うん」
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