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『椎名君と別れてくれないかね?』
突然の言葉に驚いて、美咲は返事もできなかった。
椎名部長とのことは誰にも打ち明けてはいない。しかし、いつも仕事のお供をする常務には見抜かれていたのかと推測した。
『椎名君から聞いた、君と付き合っている、と』
『え……?』
当時、椎名部長はまだ独身だった。社内恋愛が御法度という訳ではないけれど、椎名部長が一般社員との恋愛をカミングアウトするのは危険なことだと感じていた。
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