23* 境地
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「え……?」 そのオフィスに入るスーツ姿の男が見えた。 「拓真?」 私は咄嗟にしゃがんで隠れた。そして顔を横にしてベランダの手摺りからのぞくように下を見つめる。 拓真だ。間違いない。 拓真はキョロキョロと挙動不審だったが、オフィスの人が出迎えたのか吸い込まれるように中に入っていく。 しばらくして、オフィスの窓から拓真の姿が見えた。
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