26* 拘束、投獄

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私は再び手を上げていた。許せない。就活時代から付き合ってきた恋人なのに金で裏返ったことも、こうして監禁することも。拓真は振り上げた私の手首を掴んだ。 「伊織が大人しくしてねえからだろ?」 「ねえ、取りあえずトイレ」 「トイレ? ああ」 この足枷を外してもらってトイレに行き、トイレは玄関に近いところにあるから、隙を付いて脱出しよう……そう考えた。でも拓真は足枷に触るどころかしゃがみもしない。
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