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革の足枷が床に落ちた。
「ありがとうございます部長」
「早く行こう」
「ホームセンターだから、こんなのしか無かったけど、着て伊織」
美咲は私に目の覚めるブルーのつなぎを差し出した。椎名部長はゴホンと咳払いをして部屋を出た。洋モクの匂いのする上着を脱いで美咲に預ける。そしてつなぎを着た。
「美咲、ありがと」
「伊織……私」
美咲を見ると、唇を噛み締めて眉を寄せていて。いつも柔らかくおとなしい雰囲気の美咲とは別人のようだった。
「どうしたの、美咲?」
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