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車窓を見れば夜。ビルを彩るネオンは艶やかなのだが、歩道には人は疎ら。運転席のパネルを見ると時刻は0時を過ぎていた。
直に車はホテルの通用口に到着した。ドアの横にブレザーを着た男性が会釈をして後部座席のドアを開けてくれた。美咲と私は車を降りた。
「部長、ありがとうございました」
「ああ。ゆっくり休め」
「椎名さん、おやすみなさい」
「おやすみ、美咲」
濃紺のセダンのテールランプを見えなくなるまで見送り、私たちはブレザーのスタッフに案内されて部屋に辿り着いた。
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