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「うわ……」
案内された部屋は高層階。正面の窓からは夜景も見えた。広めのリビング、ミニカウンター、ドアの向こうは寝室だろう。
「スイート?」
「うん。スイートというよりは貴賓室かな」
美咲は平然としている。きっと椎名部長と来たことがあるんだろう。ミニカウンターに入るとお湯を沸かし始めた。
「貴賓室なんて凄い。こんな部屋初めて」
窓辺に行く。キラキラと輝く宝石を愛でようと思った。
「美咲は何度も泊まってるの?」
「こんな豪華な部屋は年に1度だけど」
「流石、椎名部長だね。拓真なんか車中泊でいいだろって、いつも……」
暗い景色に自分のブルーのつなぎが重なった。
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