33* 反転攻勢

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「ねえ、まさか……?」 「その“まさか”」 私は美咲の右手をすくい上げ、その手のひらにメモリーカードを乗せた。 「私が拓真を誘い出すから、美咲はこれを……」 「分かった」 ステージに続く通路を下りていく。ステージまでは緩やかな階段、それを一歩一歩、踏みしめると両足に何倍もの重力を感じた。 段々と近づくにつれ、拓真の存在が大きく感じられた。会議場から連れ出すのは無理でも、一瞬でも気をそらせれば……。
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