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「美咲、今のうち!」
「うんっ」
屈んで呻いてる彼に後ろからもう一発お見舞いを食らわした。パンプスの踵でお尻を蹴倒した。痛え!、と声を漏らしてお尻を突き出し、膝をついている。
「伊織、やり過ぎじゃない?」
「いいの。どうせ、もう退職だし」
濱田常務や拓真の悪行とは関係ないであろう総務の社員に暴行したのは心苦しくはあるけれど。
扉を押して中に入ると、ステージ上には社長をはじめ、重役達が勢揃いしていた。パイプ椅子に座り、社長はステージ中央寄りに設けられた議長席にいた。
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