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ステージはスポットライト等で明るく照らされ、客席はいくつかのダウンライトでボンヤリと見える程度。私達が侵入してきたことに誰も気付いてないようだ。
「えっと……拓真は……」
「ほら、あそこ。客席前列中央でパソコンを操作してる人」
美咲が指差した先にパソコンのモニターが薄ぼんやりと光を放ち、拓真の横顔を照らしていた。いつになく真面目な表情で。
「エロ本見てるときより真剣」
「吉村さんって、そういう本を見るの?」
「馬鹿が付くくらいのコレクターだし」
そのモニターに映し出されている文字は我が社の名前と定期株主総会、その画面と同じものが壇上の白いスクリーンに照らされていた。あのパソコンでプロジェクターを操作してるのは見て取れた。
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