33* 反転攻勢
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私は手を握り締める。指の付け根に角が当たった。 「美咲……」 握り拳をゆっくりと持ち上げて、力を緩める。手のひらには黒いメモリーカード。 「伊織?」 「うん」 これを拓真のパソコンに差し込めば、スクリーンに映し出すことができる筈。 「美咲はプロジェクターの操作、出来たよね?」 「うん、秘書時代に何度かやってるから」
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