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「……それで?」
「品のある綺麗なお嬢様で、控え目でおとなしい方ですね」
「……」
椎名部長はスラックスのポケットから携帯灰皿を取り出して、まだ長い煙草の火をもみ消した。
「奥さん、返品伝票の作成者まで割り出してくれました。会長の孫っていう圧力を使って。驚きました、ンな大胆なコトするようには見えなかったんで」
「ああ。箸より重いものを持ったことがないような人間だからな」
椎名部長はそう言うと内ポケットから煙草を取り出した。
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