35* 反転攻勢(3)

8/19
前へ
/19ページ
次へ
濱田常務が留守の時には合い鍵を預かるくらい。 「いやあ、古典的で驚きましたよ。部屋の社訓の後ろにメモや発注書のコピーが隠してあったんで」 「社訓?」 美咲が反応する。美咲は濱田常務の秘書をしていたから何か思い出したのかもしれない。 「額に入ってる社訓?」 「そう。普通は薄いじゃんか。濱田常務の部屋だけ油絵を入れる深いタイプで。厚みがある分、隠せるってワケ。常務の愛人の写真とか、いろいろ入ってたわ」 あんなジイサンでも寄り付く女がいるんだねぇ、と拓真は笑う。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

108人が本棚に入れています
本棚に追加