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◇◇◇
街へ出ると、どこを見てもクリスマス一色になってきた頃。
番号を交換してから初めての着信があった。
どきどきする胸を押さえながら電話を取ると、
“理彩?”
大好きな声が電話越しに届いて、涙が出てきた。
でも、それを必死に隠した。
遊び人の蕾斗さんにとっては、きっと泣いている女なんてウザいだけ。
“次の土曜はあけておいて”
「な、んで?」
“いいから。昼の一時にアパートまで迎えに行く”
そう言ってきれた。
なに……?
言いたいことだけ言って切るなんて、意味がわからない。
それでも、どこかで凄く楽しみにしているあたしがいた。
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