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そのとき、
『おっさん、何やってんの?』
その声と同時に離れていった手。
思わずその声の方を見ると、視線は痴漢をしていたと思われる人に向いているんだけれど、その横顔が凄く綺麗でカッコ良くて。
つい今までされていたことなんて、吹っ飛んでしまった。
……一目惚れだった。
しばらく見惚れていると、その綺麗な顔がこっちを向いて……
トクン――
と胸が高鳴った。
『大丈夫?』
低いのによく通る声。
声までカッコイイ。
頬が熱くなるのを感じて、とっさに俯いてしまった。
うわっ、あたしって感じ悪いっ!
助けてもらったのに。
“ありがとう”くらい言わなきゃ。
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