4人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
家に帰る途中の鉄橋の上で、なんとなく足を止めた。
頬を撫でる夜風がすこぶる、気持ちいい。
いい気分で鉄橋の下を眺める。
……一瞬、なにか光った気がして、
よく見てみようと身を乗り出した。
……瞬間。
誰かが、ぶつかった。
姿勢を崩し俺は……下の線路へと落下した。
……全身が痛い。
然し、どうやら生きているようだ。
体を起こそうとして、
電車が迫ってきていることに気が付いた。
……逃げないと。
そうは思うが、体は少しも動かない。
「誰か!誰か助けてくれ!」
大声で叫んでみたところで、誰もいない。
「誰か!助けてくれ!!」
――迫る電車。
――ヒステリックに鳴り響く警笛。
最初のコメントを投稿しよう!