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家に帰る途中の鉄橋の上で、なんとなく足を止めた。 頬を撫でる夜風がすこぶる、気持ちいい。 いい気分で鉄橋の下を眺める。 ……一瞬、なにか光った気がして、 よく見てみようと身を乗り出した。 ……瞬間。 誰かが、ぶつかった。 姿勢を崩し俺は……下の線路へと落下した。   ……全身が痛い。 然し、どうやら生きているようだ。 体を起こそうとして、 電車が迫ってきていることに気が付いた。 ……逃げないと。 そうは思うが、体は少しも動かない。 「誰か!誰か助けてくれ!」   大声で叫んでみたところで、誰もいない。 「誰か!助けてくれ!!」   ――迫る電車。 ――ヒステリックに鳴り響く警笛。
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