不登校女子から不登校女子というキャラ設定を外す方法とは。

7/8
前へ
/8ページ
次へ
「…………お前、言い過ぎだ」 「は?」 「お前の学費は誰か出している?お前か?違うだろ。お前の親御さんだろ?」 ちょっと聞き捨てならない言葉が聞こえた。だからつい、反応してしまった。 「なんだ、偉そうに説教か?学費は確かに父が出してくれている。だが、父も私には自由に生きてほしいと言ってくれた」 「だから学校には行かないってのか?」 俺は声を張り上げる。何故か、無性に苛々してきた。 「お前の親父さんは本当にお前に自由に生きてほしいんだろう。だが、お前は親父さんの気持ちを考えたことはあるのか?」 「なっ!!」 「学校に行って欲しいに決まってるだろ?学校で他の子と一緒に勉強してほしいし、帰ってきたら学校での話も聞きたい、友達も家に連れてきてほしいに決まってるじゃないか。なのにお前はなんだ?私は他の人とは違う経験をしていますってか?自然を感じてますってか? …………贅沢言ってんじゃねえよ!!!」 …久しぶりだ、こんなに感情的になるのは。どうしてだか自分でも分からない。ただ、ムカついたんだ。こいつの顔が、まるで自分を写してるかのようだったから。これから先の人生に何一つ希望を見出だせないような顔をしてたから。ずっと気付かないふりをしていた自分の腐った感情をこいつを通して見てしまったから。 だから、こいつに対して言ってる事は、全部自分に対して言ってるようなものなのだ。 …はぁ、と一度大きく息をつく。流石に言い過ぎた。泣いてないだろうか? 俺はそろっと柊の顔を覗こうとした。すると、それよりも先に言葉が返ってくる。 「贅沢か……。まさか、人に言われるとは思わなかったな…」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加