第1章

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結婚してからも、職場で慣れ親しんだ名字は、 変えることなく、 今のところ、私は、桜井で通している。 「はーい。仕事に戻りまーす。 あ、そうだ。 今日から、うちに配属されてくるっていう、 福岡支社の蔵本さんからさっき連絡ありました」 「あ。そうなんだ?蔵本さん、なんて?」 「間違えて電車に乗ったらしくて、少し遅れるそうです」 「・・そうなんだ。了解」 「大丈夫ですかね?そんな人が課長代理だなんて。 私・・。ついていけるか心配です」 「仕方ないわよ。慣れれば、大丈夫。 福岡じゃ、手放すのが惜しいくらい、優秀だって聞いたし」 「へー。じゃあ、ちょっと楽しみです」 原ちゃんは、ムフフっと意味深な笑いを浮かべると、 仕事に戻っていった。
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