幼馴染み

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功は、昔から綺麗な顔立ちをしてて、女の子の服を着ても違和感がない位だった。 笑った顔が可愛くて、 その顔見たさに私は毎日、功を遊びに誘った。 功のお母さんは、いつも優しく私を迎えてくれて、お菓子を用意してくたり、 可愛い小物をくれたりした。 小学校の半ばまでは、毎日遊んでた気がする。 功はゲームが好きだから、よく一緒に並んで新作のゲームとかムキになってしてたっけ。 特に『ぷよぷよ』なんかは私が全く勝てなくてワザといっぱいハンデ付けてもらったり、しまいには私が文句を言って途中で投げたりしてた。 外で遊ぶのも楽しかった。 ちょっと遠いところまで探検したり、 空き家にこっそり入り込んでお化け屋敷みたいな事したり、 海沿いの浜辺をどこまで行けるのかなとか、目に付く物全てに2人で触れていってた気がする。 何故か、功と一緒だと怖いものはなくて、 寧ろなんでも楽しめてた。 けど、功が4年生に上がってすぐぐらいだったかな。 同じクラスの男子と遊ぶからと断られたり、功が家にいない事が増えて、自然と私は女子と遊んだり 、1人で過ごしたりする時間が多くなった。 それでも休みの時とか、家同士でのお出かけとかは、まだみんな揃って仲良く行ってた。 登校する時、功が先に出たのが見えると、窓を開けておはよーとか言ったりしてた。 功も、笑って返事してくれてた。 …だんだん、 だんだん、 身体つきも変わってきて、クラスの男子みたいに、 功の手足が伸びて来たりするのを見ていて、とても不思議な気持ちを抱いたのを覚えてる。 あんなに小さくて、無口で弱々しかったのに。 私は、 5年生になって、 周りの女の子がバレンタインという単語を発し出したり、 女の子同士で気になる男子の話をこっそりしてるのを見てて、すごいなぁと感じてた。 その時から一部の女子は、しっかり女磨きをしてたんだなと今になって思う。 手作りのお菓子や編み物、可愛い手紙の折り方。 スラスラ動くその手を、心から褒め称えてた。 びっくりしたのは、 1度だけ、目の前の編み物を、 功に渡してと言われた時だった。 その子は、結構誰にでもプレゼントをあげたりする子で、 私も貰ったりした。 圧倒的に男子の比率が高かったけど、 まさか、一つ下の子にまで範囲が行くのかと、 動揺と、何で功を知ってるのかとか色々な物が混ざって、何だか素直に応えられなかったのを覚えてる。
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